近年注目の住環境に関する資格
ニーズが高まる福祉住環境コーディネーター
福祉の分野で現在最も注目されている資格が福祉住環境コーディネーターです。1995年に東京商工会議所が設立した比較的新しい検定資格です。在宅で生活を送る高齢者や障がい者が安心して日々の生活を送れるように、住環境をコーディネートします。ケアマネジャーや建築関係者などと連携し、情報収集をしながら生活環境を整えていきます。
2000年に介護保険が導入されたことで、手すりの設置などをはじめとした住環境整備のための改築に対し、保険の適用が可能となりました。高齢化に伴い、住宅改修のニーズは高まり続けている状況です。介護を必要とする人へ住環境を提案する際には、建築の知識と福祉の知識が求められます。どちらか一方の視点が抜け落ちてしまうと、安全かつ快適な生活環境を生み出すことはできません。その橋渡し役となって機能するのが、福祉住環境コーディネーターです。
また、福祉用具専門相談員の資格と相性がいい点も特徴として挙げられます。「住宅の老化した部分をバリアフリーにリフォームする際に、○○(メーカーや機能)の車椅子を使えばより便利になる」という視点で考えられます。介護・医療・建築など、幅広い分野で活躍できる資格なので、関連業界ですでに働いている人がスキルアップの一環として取得するケースも多いようです。
資格の特性や取得するまでの道のり
資格は1級~3級があり、段階的に上位資格を目指していく形になります。3級で基礎的な内容を学び、2級ではより広く実践的な知識を学びます。就職や転職を有利に進めるのであれば、2級以上の取得が必須です。医師や弁護士などの独占業務とは異なり、多職種と連携しながら仕事を進めていくため、この資格のみで生計を立てられるわけではありません。例を挙げるとすれば、「建築士がバリアフリーを重視した住居を設計する際に役立つ資格」というイメージです。建築士なら1級・2級建築士、介護士なら介護福祉士・社会福祉士などの資格と相性がいいです。
福祉住環境コーディネーター2級・3級の試験は年に2回行われています。1級は年に1回のみの開催です。スクールに通うだけでなく、通信講座を利用して勉強することも可能です。受験資格は特に設けられていないので、学歴や年齢、性別などは関係ありません。これから福祉業界に挑戦する人でも取得可能です。ただし、1級を受験するためには2級を取得している必要があります。2級は3級を取得していなくても挑戦可能です。
福祉住環境コーディネーターは「+α」を叶える資格
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福祉住環境コーディネーターとは
専任でなく兼務するのが一般的
福祉住環境コーディネーターの資格を持つ人のほとんどは、メインの仕事と兼務しながら福祉住環境コーディネーターとして活躍しています。この資格があれば、高齢化に伴う住環境のニーズに対応できる人材としてあらゆる現場で重宝されます。
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